子宮がんとは
女性にとって気になる病気として、子宮がんがあります。妊娠や出産にも関わる場合がありますので、正しい知識を持っておきましょう。日本では、およそ1万8000人の方が罹患し、5000人が亡くなっています。したがって、死亡率は高いものではありません。早期発見できれば、十分に克服できるものです。
一言で子宮がんと言っても、3種類に分類されます。一つ目は子宮頸がんで、減少傾向にあるものの、全体のおよそ7割を占めます。若年層にも見られ、20代や30代の女性にも増えています。2つ目は子宮体がんで、2割から3割を占め、近年増加傾向にあります。閉経前後での罹患が多く見られます。3つ目は子宮肉腫です。少数であり、他の種類と比べるとまれにしか見られません。
子宮頸がんの場合には、若いうちに症状が出ることがあるため、妊娠を考えている女性に起こることもあります。治療として手術を行う場合には、妊娠の可能性を残せる場合と、そうではない場合があります。症状が進行することで、今後の妊娠の可能性が断たれることが多いため、早期発見がより重要です。
2年に1度の検診でも死亡率を下げることはできますが、妊娠や出産のことを考えると、毎年受診しておいた方が安心です。自治体の検診を受ける年と、自費で受診する年を交互に繰り返せば、それほど費用がかかるわけでもありません。
これに対し、子宮体がんは妊娠の適齢期よりも年齢が高い場合が多い傾向があります。かつては少なかったものの、増加しているものですので、決して無視することはできません。増加の理由にはライフスタイルの変化が関わっているとされており、食生活の変化や月経回数の増加、出産経験の減少が影響していると考えられています。
どちらも共通して言えることとして、早期発見に成功し、適切な治療法を用いることができれば、十分に克服することができる病気です。子宮頸がんと体がんでは症状や治療法、検査の方法が異なりますので、それぞれの違いについてはっきり理解しておく必要があります。
子宮がんの告知を受けても大丈夫
できれば健康で暮らしたいと考えるのは、誰もが同じことです。しかし、残念ながら人間は病気になることがあります。子宮がんの場合には、命に関わる病気ではありますが、実際には治癒できる可能性も十分にありますので、まずは現実をしっかり見据えることが大切です。
検診結果で精密検査が必要とされているのなら、早く調べてもらいましょう。後回しにしても、症状が進行する可能性があるだけで、その間に回復することはのぞめません。現状を把握することが、何よりも先に行わなくてはならないことです。
確定診断を行った上で告知を受けたなら、知識を吸収していきましょう。たとえば、医師からステージについて説明を受けることになりますが、ステージが何を意味するかを知らなくては話が理解できません。検診結果で目にしたクラスと混同してしまっている方もいると思います。
クラス分類とステージ分類はまったく異なるもので、クラス分類ではあくまで癌の疑いの強さを表しているだけですが、ステージは症状の進行度を示しています。ステージが末期に近づくほど、一般的な生存率は下がり、治療成績は悪化します。
いくら生存率が高いとはいえ、やはり子宮頸がんや体がんが末期にまで進行してしまえば、有効な治療法も尽きてしまいます。そうなる前に発見しておくことが大切です。
乳がんと比べると取り上げられることは少ないものの、決して珍しい病気ではありませんし、女性なら関わりが深いものです。正しく理解しておくことが大切です。
子宮がんの代表的な症状
不正出血やおりものの色やにおいの異常、月経不順といった症状が多く見られます。また、性交時に痛みを感じることもあります。このような兆候がある場合、癌だけではなく子宮筋腫や子宮内膜症をはじめとした他の疾患が原因になっている可能性もありますが、早めに婦人科を受診しておいたほうがよいでしょう。
検診を定期的に受診している場合でも、不正出血等の症状がある場合には体がんの可能性もあります。したがって、検診のときに申告しておくことも必要ですし、異常がある時には改めて検査を受けておくようにしてください。
はっきり兆候が現れるのは初期症状の段階ではなく、進行してからになることも多いため、できるだけ早めに病院に行っておくことが望まれます。受診が遅れるほどに症状が進行することになってしまいますので注意が必要です。
子宮がんが妊娠に及ぼす影響
治療法によっては、妊娠や出産にも影響を及ぼすことになります。必ずしも子供を産めなくなるわけではないのですが、手術によって子宮を全摘出してしまった場合には妊娠が望めなくなります。これに対し、切除範囲が狭い場合には術後に分娩の可能性を残すことができます。
したがって、癌になってしまった時点で妊娠の可能性が消滅してしまうわけではありません。治療法を選択するうえで、どのような希望があるかを担当医に伝えておくことは、こうした点についても大切です。今後の出産を希望する場合には、しっかり伝えておきましょう。
症状の進行度にもよりますので、必ずしも希望がかなえられるわけではありませんが、これからの人生や家族の問題になることですので、自分の気持ちを整理しておくようにしておきましょう。
子宮がんの再発
治療がうまくいったように見えても、時間が経過してから再発することがあります。手術で取り残した部分に局所再発することもあれば、転移が見つかることもあります。
再発の時期としては3年以内がおよそ90%を占めており、危険な時期と言えます。初回治療を開始するタイミングが早いほうが予後が良いように、再発した場合にも早期発見が重要です。そのため、治療後には頻繁に検査を行う必要があります。これを怠ってしまうと、再発しているのに放置されてしまうことになりかねませんので、指定された時期に検査を受けておきましょう。
子宮がんの進行度や治療法によって再発のリスクが異なりますので、事前に確認しておくことも大切です。たとえば、手術を行う場合、術後に補助療法を用いるかどうかによっても予後に影響を与えます。また、手術によって切除する範囲を小さくすれば、それだけ取り残しが起きる危険性が高くなることも認識しておく必要があります。
根付かない子宮がん検診
早期発見のために、検診は重要な役割を果たしているのですが、実際に普及しているかと言えば、十分に根付いていません。実際に、内閣府が行った「がん対策に関する世論調査」によると、過去2年以内の受診率は37.2%となっており、およそ3分の1にとどまります。
半数以上の方は2年以内に受診をしていないことになりますので、その間に症状が進行してしまっている可能性もあることになります。検査を受けておくことで、かなり高い精度で早期の段階であっても発見できるのが子宮がんですので、いざ病気になってしまっている時のことを考えると、受診をお勧めします。
進行してしまうと、治るか治らないかという問題だけではなく、治る場合でも手術によって切除する範囲が広がり、子宮を失うことになってしまうことも生じますので、できるだけ早く見つけられるようにしておくことが大切です。
